ロードバイクの技術・知識

ロードバイクにディスクブレーキは最高!メリット/デメリット

2021年3月1日

ロードバイク ディスクブレーキ

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油圧ディスクブレーキロードバイクに乗っているが、これが超おすすめだ。今日は2017年末より油圧ディスクブレーキロードバイクに乗り換え、日本国内はもちろん、イタリアやフランスなどヨーロッパも走ってきたオレがぶっちゃけてみたい。

以前はディスクブレーキロードバイクにはあまり肯定的な考えは持っていませんでした。そんな油圧ディスクブレーキをレビューを交えて、考察をしてみようと思う。

現状、まだまだロードバイク的にはキャリパーブレーキが全盛だ。それでも各社、いろいろとディスク車をリリースをしている。

オレの買ったVitus・Cube社などはかなりの台数、ディスクブレーキロードバイクがラインナップされている。

オレ的にはもうディスクブレーキロードバイクは手放せない。しかし、このディスクブレーキというのは、一般的なロードバイクに、そしてロードバイク乗りに本当に必要な装備なのだろか。

年間数万キロ走るロングライダーのオレが、ディスクブレーキ登載のロードバイクというのは本当に必要なのか?どのようなメリット・デメリットがあるのか?をチェックする。

そして、ロードバイクを乗るライダーが素直に感じるであろう、ディクスブレーキのメリットについて書いてみます。参考にしてみてくれ。

MTBではディスクブレーキは標準装備

現在販売されているMTBでは、そのほとんどがディスクブレーキとなっているようです。

Vブレーキなどのブレーキを装備しているMTBを探す方が難しいくらいです。

それはなぜかというと、ディスクブレーキのメリットがそのまま生きてくるからです。

まずはディスクブレーキのメリットを見ていきましょう。

ディスクブレーキのタイプ

ロードバイク用ディスクブレーキには2つのタイプがあります。

1つは車やオートバイに採用をされているのと同様の油圧式ディスクブレーキ。もう一つは廉価なバイクなどに使われている機械(ワイヤー)式ディスクブレーキです。

それぞれの特徴について見ていきましょう。

油圧式ディスクブレーキ

油圧式(ハイドロリック)ディスクブレーキは自動車やオートバイで使用されている ブレーキと同じ構造をしています。

軽いレバー操作で強力なストッピングパワーを生み出すことができます。

ワイヤーの代わりに油を使用するため、いろいろなメリットがあります。

たとえば小さいフレームにワイヤーを使うと角度がタイトになり動きが渋くなると言うようなことも油圧であれば起こりません。

デメリットはホース内にエアが入ってしまった場合ブレーキがきかなくなります。またこのエアを抜く作業を「エア抜き」といいますが、出先で簡単に行えるというものではないので大変です。

またホイールを外した状態でレバーを握ってしまうと、バッドが出てしまい、元に戻すのが大変です。輪行時などは対策が必要です。

しかし、このようなでメリットがあっても、油圧式ブレーキのタッチの良さは最高です。

機械式ディスクブレーキ

オイルではなく通常のキャリパーブレーキと同様のワイヤーでブレーキパッドの開閉操作をしています。

油圧のタッチの良さにはかないません。ブレーキの聞き具合もキャリパーブレーキと同じ程度と思ってもいいでしょう。

また油圧とは違いパッドの開閉をリターンスプリングなどで行っていますので、ホイールを外した状態でレバーを握っても元の位置に開きます。

メンテナンスもワイヤーですので通常のキャリパーブレーキと同様の感覚で行うことができます。

そして最大のメリットは通常利用をしているキャリパブレーキ用のブレーキレバーをそのまま利用できることも上げられます。

ディスクブレーキロードバイクのメリット

まずはディスクブレーキロードバイクのメリットを見ていこう。

ディスクブレーキロードバイクの経験として2016年1年間機械式ディスクブレーキロードバイクを乗り、2018年より油圧式ディスクブレーキロードバイクを乗っている。

現在、この油圧式ディスクブレーキロードバイクがメインバイクとして走っている。

なので、この記事は基本的に油圧式ディスクブレーキロードバイクのことを言及したいと思う。

機械式ワイヤーディスクブレーキは、価格や安くコストも抑えることができるが、ディスクブレーキの良さを十分に引き出せないと思う。油圧のメンテ性の悪さや出先でトラブルとどうにもならなくなる可能性はあるが、それを差し引いても油圧ディスクのメリットは多数ある。

それでは見ていこう。

握力が弱い人でもブレーキングが楽

白石峠

初めて油圧ディスクブレーキロードバイクをシェイクダウンしたのは埼玉白石峠。白石峠は埼玉のサイクリストのメッカとも言われている。奥武蔵グリーンライン沿いにあり、ときがわ町からのぼると約16kmで到着をする。

この看板までゆるい上りが10kmほど続き、この看板から白石峠の登りが本格的に始まる。その距離約6kmで平均勾配8.6%程度となっている。

当然、この峠を登れば、帰りは駐車場まで約16kmをずっとダウンヒルとなる。

ちょっと体重重いオレは、ダウンヒルは非常にスピードが乗る。またモーターサイクルに乗っていることもあり、ブレーキングがそこそこ得意なので、ダウンヒルもちょこっと良いペースで走ることができる。

そんなオレが、そこそこのスピードで走り、また今回同行した長女を途中で待つため、きっちりとスピードを落とすブレーキング(スピードで10km/h以下)も10回近くやってみた。

峠のダウンヒルスタート時は、初の峠下りとあり、少々慎重に入ったが、かなりコントローラブルな感じだったので、思い切ってペースを上げてみる。

するとどうだろう。レバーの入力に対して、非常にリニアにスピードが落ちる。それもそこそこのレバー入力できちんとスピードが落ちる。

断言する。同じ握力なら油圧ディスクブレーキのロードバイク速度コントロールは非常に楽に行える。

ブレーキのタッチが非常にやわらかい

なにが油圧ディスクブレーキ良いかと言うと、とにかくブレーキのタッチが非常に良い。

キャリパーブレーキはワイヤーの抵抗を感じると思う。それがまったくない。レバーを引いてパッドがディスクプレートに当たる際、とてもやさしいのよ。

キャリパーブレーキはブレーキパッドがリムに当たると、その感触がワイヤーなどを伝わって感じる。

そういう感じや感触が非常にやわらかい。このタッチはすごい好きだ。ブレーキによる疲労も少ないと考える。

これは機械式ディスクブレーキにも言えることです。機械式ディスク、間髪入れず油圧ディスクを乗って非常に感じるのは・・・機械式ディスクはロスが大きく、ディスクブレーキのメリットであるタッチの良さの恩恵はまったくない。

ブレーキリターンスプリングがないのでレバーの引きが楽

当然だけど油圧ディスクブレーキにはブレーキパッドのリターンスプリングはない。

なので、ブレーキレバーの引きがスゴイ軽い。

スプリングを使っているキャリパーブレーキの場合、レバーを引けば引くほど、バネなので、引きは重くなる。当然速度を落とそうと思うと握力が必要だ。

それが、油圧ディスクブレーキはひきはじめからフルブレーキングまでのレバーの引きが非常に楽。かなり一定。そりゃ奥の方は握力は使う。しかし、キャリパーブレーキの比でない。ホント楽。

レバーの引きが楽なので、オレなんかは下ハン握ってレバー先端でブレーキレバー握る必要まったくない。ブラケットポジションで普通に速度を落とせる。

このブレーキの楽さは、本当にメリットがあると考えるぞ!

レバー入力に対してブレーキのバランスがいい

リムをブレーキシューで締めあげるキャリパー式のブレーキは入力に対して、非常にシビアです。ブレーキ効かないとレバーを締めあげるといきなりロック寸前までブレーキ力が立ち上がります。

入力に対して、コントロールの幅が非常に少ないです。

このため、オレはいつも握力増強に怠りがありません。結局握力(持続力)勝負になりますから。

それに比べ、ディスクブレーキは悪天候時も含め、レバー入力に対して、非常に素直にブレーキをコントロールできます。

必要な時、必要なだけコントロールをできるというヤツです。「ブレーキのタッチがいい」という言い方もできるかも。

連続して使うブレーキに強い

その構造上、連続してブレーキを使っても性能が落ちにくいです。

ブレーキは運動エネルギーをブレーキという構造で熱エネルギーに変え、スピードを落としますが、ディスクブレーキはそのプレートがむき出しになっていて、熱エネルギーの放出が有利形状になっています。

リムの構造を簡単に軽くできる

キャリパーブレーキの場合、その構造上でリムのブレーキ面をある程度の強度を保持する必要があります。

ある程度の年月リムブレーキのホイールを見ると、ブレーキシューでリム表面が削られてきます。そのため厚みが必要になり、ホイール外周が重くなるわけです。

それに対してディスクブレーキ線用ホイールであれば、リムはタイヤ保持のみでいいわけですから外周軽量化にもつながります。

また、カーボンホイールの場合、下り坂でブレーキをかけすぎるとリムが溶ける心配がありましたが、ディスクブレーキなら、その心配はありません。

泥・汚れ・悪天候に強い

雨中の走行をすると水分はどこに行くでしょう。当然ですが回転するホイールでは外側に行きます。またタイヤに近い位置にあるリムは路面からの影響をもろに受けます。

通常のキャリパーブレーキはリムにブレーキシューを押し付けてブレーキ力を得ています。

悪天候になると、ゴムのブレーキシューを使ったブレーキは一気にブレーキ力が下がります。

またブレーキシューの減りも問題となります。

ご存じの通りゴムというのは水分がつくと利きが悪くなり、ゴム自体のヘリも非常に早くなります。雨中のダウンヒルを続けると本当にあっという間にブレーキシューが減っていくのがわかります。

リムというホイールの外側に位置をしている通常のキャリパーブレーキは雨や悪天候時には非常に弱いことがわかります。

それに対してディスクブレーキはホイールの中心であるハブに取り付けられていて、このような外部からの影響を受けにくい場所にあります。

雨の日でもブレーキ性能が変わらない

ロードバイクを雨の日に延々乗る方も少ないかと思うが、遠出した先で雨に降られることはよくある。泊りがけロードバイクツーリングでは雨はつきもの。

そんな時油圧ディスクブレーキのロードバイクは制動力が全く落ちない。もちろんタイヤの限界までだけど。

雨の峠の降りでも安心してブレーキを使えることができるのは本当に精神的に助かると思う。

余談であるが・・・ブルべ走っているオレは、たとえば1000km走行中、2日にわたる雨の中走りぬくとか、夜スタートの300kmで一昼夜土砂降りとか、真夜中1,000m超えの峠ダウンヒルとか、ロードバイクに乗っていても、なかなか遭遇をしない状況が普通にあったりします。

九州一周ブルべ指宿発600kmで初日20時間ほど雨でした。桜島も土砂降りでタイヤが巻き上げた火山灰混じりの雨水でブレーキシューがどんどんすり減っていくのが手に取るようにわかります。

ブレーキをかけると金属がこすれあうような(火山灰とリム)音がするのです。

走行している時、ボトルの水をシューにかけて汚れを落とすなんてことしたのも初めて。

半日でブレーキシューがなくなるような状況を経験すると、その保険にディスクブレーキというのは、マジで安心をします。

このような普通では考えられないような状況下、特に雨中ロードバイクを長時間乗る可能性があればディスクブレーキの恩恵を最大に受けられるでしょう。油圧ディスクで良かった・・・ホントそう思います。

ロードバイクにディスクブレーキ不要か?デメリット

ロードバイクにディスクブレーキを搭載して、いいことばかりではない。当たり前だがデメリットも当然存在をする。

デメリットをほじくり出してみよう。

ホイール少ない・交換できない

今となって、かなりディスクブレーキ専用のホイールもかなりラインナップされてきました。ただディスクホイール少ない(はず)です。

ロードバイク購入して、いの一番にやってみたいアップグレードが、いきなりできません。

付いてきたホイールでかなりの期間付き合うことになるでしょう。

また手持ちの(自慢の)Duraやカンパやフルクラムなどのキャリパーブレーキ用ホイールを利用することも不可能です。

ホイールが重い

タイヤ交換をする機会があったので、ホイール重量をチェックしてみた。クイック無しの重量だが、1㎏近くある。

これは相当重い。シマノ WH-R501-30が900gを切っているので、それよりも重い。

当たり前だがフロントのラジアル組はできない。ブレーキングの加重に耐えるため、フロントホイールのスポーク本数ももちろん増加。

さらにフロントはディスクが左側に増設されているため、おちょこになる。

多少なりとも覚悟する必要がある。もちリアも重い。

なので、女性にもけっこうオススメと言ってますが、ぜひ軽めのディスクブレーキ専用のホイールを購入できるだけの予算を用意すると良いかと思います。

練習では重たいホイールでもいいですが、イベントやレースなどに出る時はやはり軽いホイールがいいでしょう。

ディスクブレーキはリムにブレーキの性能が必要ないので、カーボンリムのホイールなども出ています。また普通にペアで1.5kgを切るようなホイールもありますので、ぜひ吟味をしてみてください。

フロントもリアも重量増加

というわけで、フロントもリアもディスクブレーキというモノが付き、必要な剛性を確保するため重量増加は避けられない。

キャリパーブレーキに対して500g-1㎏増程度は覚悟する必要があるだろう。

フロントホイールがおちょこになる

フロントホイールにディスクプレートが入ることにより、おちょこ組になります。

またラジアル組などにすることができません。

ディスクブレーキ専用設計のフレームが必要

当然ですが、ディスクブレーキを搭載するため、ブレーキ本体を本体に取り付けるため、専用のフレーム、そして専用のフォークが必要になります。

今持っているフレームに後付けということはほぼ不可能です。

ディスクブレーキ専用のフレーム・フォークを準備する必要があります。

コストが高くなる

当然ですがキャリパーブレーキよりもコストが高くなります。

またロードバイクに関するかなりのものが買い替えになる可能性があるためイニシャルコストも増大です。

フォーク、スルーアクスル

ロードバイクには必要ないくらい太く、また重くなるスルーアクスル。

当然だけどディスクブレーキの減速荷重に耐えられる必要があるのだから、仕方ない。

このあたりはMTBである程度は詰められているので、信頼性はあるのだろうけど、めっちゃ重そう。

また前に進むことに必要のない剛性確保だから微妙・・・

扱いは非常に気を使う

キャリパーブレーキ車では考えもしなかった扱いが非常に気を使うようになる。

停車時。コンビニなどで止まったときなど、周りの状況やバイクの立て方にも気を使う。

なんといってもローターに衝撃与えると、いきなりその場でアウトになる可能性を背負っている。キャリパーブレーキでは考えられないことだ。

具体的にパーキングする場合はディスクローターを壁側にすることを徹底すること。

これならとりあえずバイクが何らかで倒れてもローターが上側になる。

またローター壁側にすることで他のものがぶつかってきても多少安心だ。

サドルをつるすタイプの自転車スタンドにかける場合も、一番端を利用してローターを外側にする必要があるだろう。

ブレーキローター曲がったらアウト

ブレーキ曲がったらアウトだろう。

特にフロント曲がったら走るのはとても危ない。

帰ることのできない距離だと・・・かなりキツイな。ローターが曲がった場合、キャリパーを外してしまうのが一番簡単な対処法だろうか。

トラブルに対応するため前後のローター径を同じにしておくのはいいかもしれない。もしくは予備ローターを持とうか・・なども頭をよぎる(持たないけど)。

輪行ではさらに気を使う

輪行でホイールを外す場合も非常に気を使う。ホイールを立てかけるときは必ずローターを壁側に。

飛行機輪行はそのままでは難しいだろう。もしくはローターを外すしかない。

電車の輪行でもローターを外したくなる。

ブレーキブラケットが大きく、遠い

油圧ディスクブレーキのブラケット内にはフルードを入れるリザーバータンクが内蔵されている。そのため、少々ブラケットがでかい。

なので、普通のキャリパーブレーキ用のブラケットに比べ、ほんの少しレバーが遠く感じると思う。

ハンドル位置は同じでも、ブラケットやブレーキレバーが遠くなると考えます。

ディスクプレートがマジで熱くなる

前述の白石峠を6kmほどダウンヒルして、前述の白石峠看板の前で長女を待っていたのですが・・・

その時、モノは試しと思い・・・グローブを外してフロントディスクブレーキプレートを触ってみました。(アホ

ヤケドしました。マジで熱かった。人差し指の先端ヤケドです。

みなさんもダウンヒル後のディスクプレートには気をつけましょう。マジで熱いです。

まとめ

以上、ロードバイクのディスクブレーキについてメリット、デメリットや特徴などを上げてみました。これらのことを見ても、ディスクブレーキの魅力は高いです。

油圧ディスクブレーキロードバイクのブレーキは本当に良かった。

たしかにキャリパーブレーキと違い、ワイヤーを引き、ダイレクトにタイヤ付近のリムを掴む方式とは、そのブレーキ感覚が違う。

ブレーキレバーを引いてブレーキフルードが動き、ピストンを押しブレーキパッドがプレートを挟み込む。その力がハブを伝わり、スポークがたわんでリム、タイヤ、地面と力が伝わる。

そしてブレーキングパワーとしてフレームに返ってくるんだけど、ちょっとしたタイムラグを感じる。それがタッチがやわらかいと感じる一因かもしれない。

ダウンヒルで腕がパンパンになってしまう方、ぜひ油圧ディスクブレーキのロードバイクをチェックしてみてはどうだろう。

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