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振れ取り台はロードバイクホイールの振れを直したり、新しいホイールを自分で組むときなどに使います。今回は自転車ホイールの振れ取りの方法や振れ取り台の選び方、振れ取りの方法などについてチェックしてみたいと思います。自転車のホイールどのような安いものでも高いものでも長期間乗っていれば徐々にいろいろな方向に振れや歪みが出てきます。
さらに高いホイールで軽量なものほど使用していると徐々に正円を描けずブレる現象が起こってきます。
これはどんなに精度の高いホイールであっても起こる現象なのです。
ロードバイクや自転車を長く乗っていたい方、また長期に渡り走るライダーや長い距離を走る方はホイールの振れ取りメンテナンスが必要になってきます。
もちろんある程度の距離で新品購入もいいですが、お気に入りのホイールを簡単に交換できるものではありません。振れ取りはプロショップに任せてもいいですが、ロードバイクでマジに走る方は自身で振れ取りができたほうが何かとよいでしょう。
自転車ホイールの振れ取り作業の具体的な手順や流れ、必要なツール、最後におすすめの振れ取り台についてまとめました。
ホイールの振れ取りとは?
ホイールの振れ取りとは文字通り振れを取る作業のことです。
ホイールは軽量なものほど使用していると振れ(ゆがみ)が発生するのですが、この振れとはホイールを空転させたときにリムがブレる現象のことを言います。
この現象には2つあり、リムを前方ら見て左右に振れていれば「横振れ」、リムを真横から見たときに振れがあれば「縦振れ」と呼び、それぞれ異なった種類の振れです。
この現象をなくし、元の正常な動きを取り戻すための作業が振れ取りになります。
これは、スポークの張り具合をニップルというスポークをリム(ホイールの周りの部分)に固定する部品を締めたり、緩めたりして調整する振れ取りと呼ばれる作業です。
この作業を行ってホイールの状態を正常化させます。
基本的にニップルを締めて調整するのですが、このニップルは、構造上右回しで締まり、左回しで緩むというものとなっており、これを工具で調整するのです。
ちなみにニップルを回すときは4分の1回転、もしくは8分の1回転程度と量をきちんと管理して少しずつ回すのがコツになります。
振れ取りに必要な工具
振れ取りに必要な工具ですが、振れ取り台、ニップルレンチ(スポークレンチ)またはニップル回し、テンションケージ、そしてセンターゲージが必要になります。
振れ取り台
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出典:アマゾン
振れ取り台は、振れ取りの評価を行う工具です。
ここにホイールを付けて回すことで振れの状態を確認するために使用します。
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ニップルレンチ
出典:アマゾン
ニップルレンチ(スポークレンチ)またはニップル回しは、先ほどお話ししたニップルのテンションを緩めたり、締めたりする工具です。
主にこの工具を使って調整を行っていきます。
ニップルレンチの材質は徹夜ステンレスなど色々ある。おすすめはクロモリ。クロモリ鋼は硬度があり、ニップルの角をなめること心配が少ない。
スポークテンションメーター
出典:アマゾン
スポークテンションメーターは、スポークのテンションを評価する工具で、これがなくとも調整を行うことができますが、より正確な評価を行うのに必要な工具です。
ホイールセンターケージ
出典:アマゾン
ホイールセンターケージも評価する工具で、ホイールがセンターで回っているかを調べます。
こちらも使用せずに触れ取りを行うことができますが、あった方が望ましい工具です。
ホイール振れ取りの手順
振れ取りの手順は基本的に評価を行い原因の箇所やその周辺をスポークをニップルで締め、再度評価するという流れです。基本的にスポークは締める方向で調整します。
最初にホイールを振れ取り台にセットし空転させ、リムが緩んでいるところを探します。
そして、ニップルを締めるニップル回しで締め、緩んでいる部分に一番近いスポークを張るという作業を行うのですが、縦振れや横振れと順番に調整を行っていくのがポイントです。
ニップル下にあるプラグ硬い場合はオイルを差し調整をしやすくしながら少しずつスポークテンションを調整していきます。
そして、必要に応じてその他のスポークも同じく張っていく作業を行い、最後は振れ取り台で確認して問題があれば、再度調整を行っていくということを繰り返し、振れがなくなったら完了です。
横振れのとり方
横振れは左右のスポークの張力のバランスがとれていない状態で、前方から見ると振れがでている箇所が定期的に波打ちます。
そんな横振れを取るときは3本1セットとして振れを取るという流れです。
横振れが出ているニップルを締めるとリムがセンターに行きますからこれを行って調整します。
フリー側に振れが出てるなら反フリー側を締めることで調整可能です。
また、2本の間のフリー側のニップルを締めた分と同じ分だけ反フリー側の1本を緩めます。
このようにして横振れを取っていくのです。
縦振れのとり方
縦振れはリムの対面とのスポークの張力のバランスがとれていない状態です。
これはセンサーのプレートに接触するリムの箇所の左右のニップルを同時に締め付けてプレートに接触するリムの箇所の反対側のスポークのニップルもニップル回しで締めることで調整します。
また必要に応じてこの反対側を緩めることもありますが、いずれにしても張力のバランスを対面同士で取るような調整を行うというのが縦振れの摂り方です。
ホイール振れ取りはプロに任せるほうが良いか?
結論を言うと結果を求めるならプロに任せるのがおすすめです。
プロは使っている振れ取り台を始めすでに工具が違うことが多く、市販のものより正確で、精度の高い評価ができます。
また、経験が違うため的確に調整を行えるケースが少なくないため、技術的な面でも良いと言えるのです。
更にブレ取りからホイールの振れ以外のトラブルを発見してもらえるというメリットもあり、破損箇所があれば部品も取り寄せが迅速ですから、万が一の対応も万全と言えます。
しかし、自分で簡単なホイールの振れ取りができれば、技術の幅も広がりますし自分のバイクに愛着が持てますから、使わなくなったホイールなどで練習してみるのも趣味として楽しむ方法です。
自分でホイール振れ取りができるメリットは微小なホイールの歪みをすぐにその場で直すことができる手軽さにあります。
ホイール振れ取り台を選ぶ目安
ロードバイクのパーツは繊細です。軽量なものが多いため、走っていると徐々に変化をきたすものが少なくありません。
そんな中起こる変化の一つとしてホイールに起こる振れというものがあります。この振れを取るツールが振れ取り台です。
振れ取り台を選ぶ時のチェックポイントを考えてみます。
メンテナンスしやすい振れ取り台とは?
メンテしやすい振れ取り台は、精度が高く、機能性もあり、アマチュアで使う場合は付属品などがついているという3点を挙げます。
実際にプロではなく、個人で触れ取りをを行うことは珍しいことではなく、特にカーボンホイールなどの軽量ホイールは振れが出やすい傾向です。
そのためこれらの条件を満たしているメンテしやすい振れ取り台を選ぶことは重要と言えます。
リム前方から見ての歪みである「横振れ」とサイドから見た場合のリムの円の歪みである「縦振れ」の2種類を振れ取り台で見つけ、スポークの張りを調整し、直すという一連の作業を行うのに重要な要素でもあるのです。
振れ取り台の精度
精度ですが、振れ取り台は様々なものがあり、きちんと振れが出ているかを見つけられるものとそうでないものがあります。
そういったレベルを見分けるのが精度の高さです。
きちんとした製造元の作る振れ取り台であれば高い精度が期待できますが、安価なものほど、その能力が落ちていく傾向にあるのでおおそよの振れを取りたい場合は安価なもの、厳密に振れを取りたい場合は、精度の高い高価なものを選ぶという形になります。
ただ、精度が高いほどすぐに振れを発見し、修正した後正確な評価ができるので、作業が非常にしやすい傾向です。
振れ取り台の重量や固定法
振れ取り台の機能性とは適度な重量と机などに固定できる固定性になります。
出典:アマゾン
後ほど紹介をする「タックス 振れ取り台」という製品ですが、このようにテーブルや作業台に固定できるようなタイプもあります。
また折りたたみ式などしまう場所を選ばないタイプや自立タイプの振れ取り台など、いろいろな形状がありますので作業環境により選択するとよいでしょう。
重量がある程度ないとホイールを回した時にホイールの遠心力で倒れてしまったり、振れ取り台がガタついて正確な評価ができません。
しかし、安定し重量のある程度あるものならば振れを正確に見つけることができ、振れ取りを行った後も評価をすることが簡単でメンテしやすい振れ取り台と言えるのです。
振れ取り台以外に必要なアイテム
この他にアマチュアの場合は付属品がついているのも重要になります。
具体的に振れを取っていく道具であるニップルレンチや横振れが評価しやすいセンターゲージ、安全なスポークの締め付けができているかやゆるみのある個所を発見するスポークテンションメーターと言った3つの道具がセットになっているものが利用しやすいと言えます。
ある程度慣れた方は、より性能の高いこれらのツールを購入することで振れ取りが容易になるのです。
価格の差はあるの?
ホイール振れ取り台の価格の差はあります。
高いものは数万円を越え、安いものは数千円で購入できる振れ取り台ですが、安いものほど振れの評価がしにくく、振れ取りを行っても正確な評価ができません。
また、がたつきもしやすいので、作業が非常に面倒というデメリットもあるのです。
一方数万円を超えるものは、とにかく高いためプロに依頼した方が安くつきますが、精度が高く安定しているためきちんと評価ができるうえ調整もしやすいので効率よく短時間で振れ取りができます。
このように同じ振れ取り台という工具であっても性能が価格によってまるで異なるのです。
センターゲージは必要?
センターゲージは必要です。
ホイールのセンターの状態を調べることができるこの道具は振れの状態を確認し、本来あるべき姿(センターが出ている状態)を知るための大きな目安となります。
これなしでも振れ取りはできますが、正確なものではなくセンターがずれた調整を行ってしまうリスクもありますから、慣れない方こそ持っておくのが重要なアイテムです。
おすすめ振れ取り台7選
最後におすすめの振れ取り台を7種紹介します。
MINOURA(ミノウラ) 振取台 FT-1 COMBO
出典:アマゾン
日本の自転車周辺機器メーカーのミノウラが出している振れ取り台のセットです。
ホイールセンターゲージとニップルレンチがセットになっているのですぐに振れ取り作業に取り掛かれるというのが魅力の製品で、最大29インチサイズ(700cリム)までのホイールに対応しているのもポイントと言えます。
折りたたみ式の振れ取り台なので場所も取らないのも特徴です。
ゴリックス 振れ取り台 GT-37
出典:アマゾン
ネット通販のごっつプライスが立ち上げたブランドがゴリックスで、ここから出ているのが振れ取り台この振れ取り台です。
軽量なのに安定感があるという矛盾するような性能を持っているのが特徴で、ホビーレベルでも購入できる安価な価格設定(7千円程度)も特徴です。
ただし、ツールは別途買う必要があります。
Tacx Exact Truing Stand T3175 タックス 振れ取り台
出典:アマゾン
Tacx Exact Truing Stand T3175という製品で、海外メーカーの安価な振れ取り台です。
机やテーブル等に固定して、縦振れ・横振れの調整が可能なので、部屋でも気軽に振れ取り作業を行うことができる製品になります。
気軽ですが、精度は大手より劣ります。
NinoLite B119 振れ取り台
出典:アマゾン
NinoLite B119です。
とにかく場所を取らない製品で、折りたたみ式構造によってコンパクトに収納できます。
横振れ測定ゲージはプラスチック製なので、高額なカーボン製ホイルも傷つけないというのも嬉しいポイントで、しかも5千円程度で購入できる安さも特徴です。
ただ、リムのセンター出しはできないため、別途工具を購入する必要があります。
ミノウラ 振れ取り台 FT-50
出典:アマゾン
先ほど紹介したミノウラのホビー向けの本格モデルです。
安定性や作業性を重視したデザインでホビー用としては使いやすく、ディスクブレーキの普及で増えているスルーアクスルに対応し、ディスクブレーキ用のホイールも作業できるという範囲の広さも特徴と言えます。
PARKTOOL(パークツール) 振取台 TS-8
出典:アマゾン
世界最大手の工具メーカーであるPARKTOOLが出している振れ取り台です。
プロ仕様のモデルが多い中で非常に安価なモデルとなっているのが魅力の振れ取り台で1万円台の予算があれば手に入れられます。
工具メーカーの製品であり精度がとても高いことから振れ取り作業がしやすい製品と言えますが、付属工具がないので自分で気に入ったものを選んで購入することが必要になる振れ取り台です。
PARKTOOL(パークツール) 振取台 TS-2.2
出典:アマゾン
PARKTOOLプロ仕様で6万円という高額な製品です。
樹脂製のチップを測定パーツの先端に使用し、傷を付けない工夫はもちろんのこと、TSB-2専用ベースという土台を購入して取り付ければ前後に傾けることも可能になります。
これで自在に評価ができるようになることから自分の見やすい位置で振れ取り作業ができるという便利な振れ取り台です。
まとめ
自転車ホイールの振れ取りは振れ取り台を使ってニップルを締めたり緩めたりすることで調整する作業です。
この作業によって左右にぶれる横振れや波打つ縦振れを調整し、なくすことができます。ただし、きちんと締め込む量や緩める量を管理し、評価を正しく行うのが大切です。
自分がどこまでの精度を求めるかによってその要求する振れ取り台の性能が変わってきますが、気軽に振れ取りができる便利なツールです。
ただ、プロ仕様の振れ取り台は非常に高額なので、とてもシビアに振れ取りをしたい場合はプロに依頼することも視野に入れるということも考える必要があります。
それでも、自分なりにこだわる場合は、精度の高い高額な振れ取り台を購入するのもオススメです。