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ロードバイクのギアチェンジ・シフトチェンジついて考えてみましょう。現在のロードバイクは本当にギア数が多くなりました。普通にフロント2枚、リア11速はデフォルト。
私がスポーツ系の自転車を乗り始めた時、フロントのギアは現在と同じ2枚か3枚でした。リアホイールに付いているカセットのギア枚数は5枚が主流、ちょうど6スピードが出始めの頃でした。
今現在主流は10、もしくは11スピード。メーカーのトップコンポーネントは12スピードが出てきています。またカンパなどはグラベルフロントシングル専用13速もリリースされています。
一般的なフロント2、リア11スピードとなると、トータルで22スピードとなり、本当にたくさんのギアを利用できるのです。
こんなにたくさんのギアが必要なの?と思われますが、これら多数のギアを使いこなすことにより、ロードバイクやより速く、そしてより遠くへ行くことができます。
そして、とても大切なことはこれらたくさんのギアを適切に使うことにより体力の消耗を最小限に抑えることができるのです。
それではロードバイクのシフトチェンジについて考えていきましょう。
この記事の目次
各メーカー:シフティングレバーの使い方
現在のロードバイクは特殊な用途のバイクを除き、基本的にはブレーキレバーを操作することにより、シフティングを行います。
ただ、メーカーに寄って少々シフティングの方法が違いますので、各メーカにおけるシフティング法を見て行きましょう。
シマノ
出典:アマゾン
- フロントシフトダウン:左側ブレーキレバー内側の小さいレバーを押し込めばフロントシフトダウン
- フロントシフトアップ:左側ブレーキレバー本体を内側に押し込めばフロントシフトアップ
- リアシフトアップ:右側ブレーキレバー内側の小さいレバーを押し込めばリアシフトアップ
- リアシフトダウン:右側ブレーキレバー本体を内側に押し込めばリアシフトダウン
リアシフトダウンは一気に3速シフトダウンが可能です。その他は1速ずつのアップ・ダウンとなります。
カンパニョーロ
出典:ChainReactionCycles
- フロントシフトダウン:左側のボタンを親指で下に押すとフロントシフトダウン
- フロントシフトアップ:左側ブレーキレバー内側の小さなレバーを押し込めばフロントシフトアップ
- リアシフトアップ:右側のボタンを親指で下に押すとリアシフトアップ
- リアシフトダウン:右側ブレーキレバー内側の小さなレバーを押し込めばリアシフトダウン
右側内側レバーがシマノの方式とは逆になります。
カンパのレバーはシマノと違い、ブレーキレバー本体は倒れません。
シマノの場合、レバー本体も倒れるためブレーキング時に力の入れ方によりシフトをしてしまうことがあります。それに対してカンパはブレーキレバー本体が倒れないことが利点となっています。
- Campagnolo Super Record Ultra Shift 11Sp Ergos:¥44600円(CRC)
スラム
出典:アマゾン
- フロントシフトダウン:左側ブレーキレバー内側の小さいレバーを押し込めばフロントシフトダウン
- フロントシフトアップ:左側ブレーキレバー内側の小さいレバーをさらにもう一段奥へ押し込めばフロントシフトアップ
- リアシフトアップ:右側ブレーキレバー内側の小さいレバーを押し込めばリアシフトアップ
- リアシフトダウン:右側ブレーキレバー内側の小さいレバーをさらにもう一段奥へ押し込めばリアシフトダウン
SRAMは独自の方法です。レバー内側にある小さいレバーでシフトアップとダウンの両方を可能にするDoubleTapテクノロジーを採用しています。
カンパ同様レバー本体は倒れない形式となっています。
クロスバイクの変速:トリガーシフト
クロスバイクやMTBなどによく取り付けられているトリガーシフト(ラピッドファイヤー)式のギアチェンジを見ていきましょう。
操作法は手前にあるレバーは親指で押し込み、奥にあるレバーは人差し指で引きます。
フロントシフター:左手
- アウターギア(ハイギア・重くする):親指を押し込む
- インナーギア(ローギア・軽くする):人差し指で引く
リアシフター:右手
- アウターギア(ハイギア・重くする):人差し指で引く
- インナーギア(ローギア・軽くする):親指を押し込む
クロスバイクの変速:グリップシフト
マウテンバイクやクロスバイク、ママチャリなどにも採用をされているグリップシフトです。ハンドルグリップの根本が回せるようになっていて、それを回すことでギアチェンジをします。
フロントシフター:左手
- アウターギア(ハイギア・重くする):手前へ回す
- インナーギア(ローギア・軽くする):奥へ回す
リアシフター:右手
- アウターギア(ハイギア・重くする):奥へ回す
- インナーギア(ローギア・軽くする):手前へ回す
ギアチェンジの方法・効果的なギアチェンジ
ロードバイクにはたくさんの歯数のギアが搭載されています。一般的なロードバイクでフロントギアが2枚、リアスプロケットが10-12枚あります。これだけたくさんのギアを駆使して、ロードバイクは速く楽にスピードを維持でき距離を走ることができます。
適切なギアチェンジにより体力の温存もできます。ギアチェンジの方法、効果的なギアチェンジについてチェックをしてみましょう。
まずギアチェンジに関して気をつけてほしい技術が以下の3点となります。
ギアチェンジの基礎5つ
- ギアチェンジは負荷をかけずにペダルを回しながら
- こまめにリアギアチェンジを行う
- リアギアのロー側を使い終わる前にフロントチェンジ
- フロントギアチェンジの際はリアで微調整
- ペダル踏み込んでいる時や悪路では変速は避けたい
各項目について詳しく見ていきましょう。
ギアチェンジはクランクを回しながら行う
フロントギア、リアギアのシフティングを行う際、注意することがあります。それはシフティングを行う場合は、必ずクランクを回してペダリングを行いながらするということです。またできるだけ負荷のない状態でシフトすることが理想です。
自転車のトランスミッション構造上、ペダリングをしてチェーンが駆動していないとギアチェンジが行えません。必ずペダリングをしながらシフティングを行います。
シフティングは状況に応じてリア・フロントを使う
シフティングは路面の状況に応じてリア・フロントの両方を使います。
通常のサイクリングコースであれば、リアのみで問題無いと思います。
フロントギアの使い分け方
ロードバイクのフロントギア(チェーンリング)は通常のアウターギア(大きいギア)、インナーギア(小さいギア)という2枚の構成になっています。
このフロントギアの使い分けを考えてみます。
通常平坦な場所を走る場合、フロントギアはアウターギアを使うことがほとんどでしょう。フロントをアウターにすればギア比が高くなるため、ペダルが重たくなります。
しかし、その重たさも平坦ということもありスピードに乗れば、すぐに軽くなり楽にペダルをたくさん回さなくても早く走ることができます。
フロントのインナーは峠や坂道、またゆっくりとトルクを掛けて走りたいときなどに使います。スタートが上り坂のときなど、あらかじめインナーに落としておくとスムーズにスタートできます。
フロントインナーを使うとペダルはとても軽くなりますが、ギア比が低くなるのでペダルのケイデンスに比べスピードは出ません。
走る場所やシチュエーションに応じてフロントギアのアウターとインナーを使い分けましょう。
登りが近づいた時のシフトチェンジ
もし目前に上り坂が迫ってきた場合、フロントアウターのまま登れるのであれば、状況に応じてリアをシフトダウンするとよいでしょう。
しかし、フロントをシフトダウンしなければ登れないことが分かる場合は、クランクにあまり負荷のかかっていない状態でシフトダウンをしておきます。
具体的には、まずリアを2、3枚シフトアップをしておきます。(ダウンではありません)
リアをシフトアップしてからフロントをシフトダウンします。このような手順を行うことで、急激な負荷の変動を防ぐことができます。
フロントを先にシフトすると、これもまた急激にギア比が低くなり、足が空回りします。
負荷がかからない状態で行えば、負荷変動も非常に少なくなり、またリアをシフトアップしておくことで、登りの時にリアシフトダウン枚数の余裕も持つことができます。
シフトダウンのやってはいけない例
上り坂に入ってからリアをどんどんシフトダウンしていき、リアカセットの余裕がなくなった状態でフロントをシフトダウンすることはやめましょう。
いきなりその状態で、最大にギア比が低くなり、足がいきなり軽くなります。またリアカセットの余裕もありません。
登りで苦しくなってからリアシフトアップするのは非常に厳しくなることも理由の1つです。
必ず余裕のある時点でリアをアップしてからフロントダウンを行いましょう。
シフトアップ時の注意点
峠の登りが終了をしてシフトアップする場合、まずはリアシフトアップを数枚行い、その後フロントをシフトアップします。
登りピーク付近ではリアが最大径のカセットになっている場合が多いでしょう。その状態でフロントをシフトアップするとリアディレイラーが最大テンションになってしまいます。
それを防ぐため、まずはリアをシフトアップして小さいギアにチェーンを移動してからフロントをシフトアップするとよいでしょう。
チェーンをたすき掛けにしない
チェーンはできるだけフレームに対して、並行に近いほうが理想です。
フロントアウター、リアカセットがロー側になるとチェーンは斜めになります。
逆にフロントインナーでリアカセットがトップ側も同様にチェーンは斜めになります。
このような状態をたすき掛け・斜め掛けの状態になっています。当然、平行位置に対して斜め掛けはチェーンやギアに負担がかかるのは一目瞭然。
ギア比的に考えてみます。
たとえば50Tx25Tとたすき掛け状態になっている状態と、フロントをインナーに落としリアが真ん中あたりの34Tx17Tもギア比を比較します。
このギア比は両方とも同じです。
- 50÷25=ギア比:2.00
- 34÷17=ギア比:2.00
どちらが自転車のトランスミッションに影響が少ないかといえば、明らかにチェーンが水平になっている後者となります。
しかし、状況によりこれも一概に言えません。
たとえば、登り坂でギア落としていき、目の前にピークが迫りすぐに行であれば、50Tx25Tのままで登りきります。フロントを触らずシフトアップができます。
逆に坂の途中、また登りがまだまだ続くのであれば後者のほうが有利なことは言うまでもありません。
状況に応じてシフトをしましょう。またできるだけ、たすき掛け状態にならないようにすることは大切です。
フロントシフターのトリム調整
前述のたすき掛け状態である「アウター×ロー」や「インナー×トップ」でチェーンラインが斜めになるような場合、フロントディレイラーのガイドプレートにチェーンがこすり異音が発生することがあります。そうしたときの解消に便利なのがトリム調整です。
フロントのシフターをギアが変わらない程度にレバーを軽く押すことで、フロントディレイラーの位置を微妙に動かすことが出来ます。これによりチェーンのガイドプレート擦れが解消されます。
まとめ
ロードバイクのシフトチェンジの大切なところを再度ピックアップしてみます。
- シフトチェンジはペダリングをしてギアが回っている状態で行う
- 通常の走行ではフロントチェーンリグはアウターを使う
- チェーンはたすき掛けの状態をできるだけ避ける
- ペダルに強くトルクがかかっている状態(チェーンが張っている状態)シフトしないようにする
- 登りにかかる前にあらかじめシフトを考えておく
- 下りになったら一気にシフトアップ
- チェーンリングをインナーに落とすと同時にリアカセットを数段シフトアップする
- 路面状況、細かい上り下りに合わせこまめにシフトチェンジする
- 走り始めたら徐々にシフトアップ、止まる寸前にシフトダウン
路面状況、アップダウンなどに合わせ、できるだけ脚に負担のかからないようにシフトチェンジすると、疲れずロードバイクを乗ることができます。