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自転車競技・サイクルロードに詳しくない方でも知っているレース、それがツールドフランスです。
このツールドフランスは世界の自転車競技、とりわけロードレースにおいて最高峰とされるグランツールと呼ばれるレースにカテゴライズされています。
今回、このグランツールとはどのようなものなのか、そしてどのような特徴があるのか、さらには特別賞の内容と言ったものも含めながらグランツールについてお話ししていきます。
この記事を読めば、きっとグランツールについて知ることができるでしょう。
この記事の目次
グランツールは世界3大ロードレース
グランツールは、世界3大ロードレースという別名があります。
これは、フランスで開催されるツールドフランス(ツール)、イタリアで開催されるジロデイタリア(ジロ)、そしてスペインで行われるブエルタアエスパーニャ(ブエルタ)の3つを指すレースです。
これらはロードバイクの大会の中でも歴史と権威のあるレースとされています。
ロードレースと言うと、世界一を決める世界選手権、世界が注目する世界的なスポーツの祭典オリンピック(夏季)もあるのも事実です。
しかし、グランツールは人気や注目度、そしてロードバイク選手の名誉という点においても世界選手権やオリンピックすらも超えるものとなっています。
ロードバイクの選手は、オリンピックの金メダルや世界選手権の優勝もさることながら、このグランツールでの勝利、つまり総合優勝を最大の目標としているのです。
グランツールは、直訳するとフランス語で「偉大な周遊レース」という意味です。
ツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャは、ヨーロッパの周遊ロードレースの中でも、特に権威があると言われています。
グランツールの特徴は?
グランツールとは、ヨーロッパで開催される「ツール・ド・フランス」「ジロ・デ・イタリア」「ブエルタ・ア・エスパーニャ」の世界3大ロードレースです。
今回は、それぞれのツールの特徴について解説します。
グランツールの特徴は、ステージレース、多彩なレースコース、そして近年は国をまたぐ規模の3つが挙げられます。
ステージレースというのは、ステージと呼ばれる多くのレースを行い、そのレースの合計タイムで優勝(以下、総合優勝)を決めるレースです。
例えば、ツールドフランスの場合は、21ステージのレースを行い、それらの合計タイムが最も少ない選手が優勝します。
こういった特徴があるので、21ステージで一回も一位を取らなくとも、合計タイムを最も少なく完走すれば理論上は良いのです。
そのため、参加する選手やチームは、綿密にこの合計タイムをより少なくすることを目指しています。
また、総合優勝が難しくとも各ステージレースで一位を取ることを目指したり、後述する特別賞を目指したりもするのです。
多彩なレースコースも特徴と言えます。
グランツールには、以下のような特徴があります。
何週間もかけて競うステージ
レースステージレースとは、数日間かけて行うレースのことで、それぞれのレースをステージと呼びます。
グランツールの場合、21のステージがあって、約3週間かけて1つの国を走破します。
総走行距離は3000km以上
それぞれのグランツールの総走行距離は3000km以上で、各ステージの走行距離も最長で260kmにも及び、厳しいレースであることがわかります。
また、すべてのステージで数回、個人やチームでのタイムトライアルがあります。
2回の休息日がある
グランツールは、3週間かけて行うレースなので、日程中に2回の休息日を設けることが決められています。
1回目の休息日は、レース開始から8日目以降で、この時点での総走行距離は約1000kmになります。
グランツールの規模
一日で優勝が決定するワンデーレースの場合は、平坦が多めのコース、山がちなコース、時に公園のような場所で周回コースというようにワンパターンになりがちなコースです。
しかし、グランツールは非常に多くのステージがあるので、平坦なコース、山がちなコース、更には短距離での個人タイムトライアルと言った別競技のようなステージも設定されています。
これらのコースをバランスよく速いタイムで走破することがグランツールの優勝で求められているのです。
規模が大きいのも特徴です。
グランツールは、それぞれフランス、イタリア、スペインのみで行われていましたが、一部のコースを国外で行うことも多くなり、国をまたいで開催するようになりました。
例えば、ツールドフランスの初日のステージはベルギーやドイツと言ったような開催方法です。
このように国をまたいだステージ設定をするようになったので、将来ツールドフランスのあるステージだけ日本で行われる、というのも決して夢物語ではありません。
20を超えるあらゆるコースのステージで優秀な成績を収め、しかも国をまたいで競うレースに完走し、更に優勝するというだけでも非常に困難です。
こういった特徴からもワンデーレースであるオリンピックや世界選手権よりも注目度が高いといえるでしょう。
また、観戦者や選手も分かるように各成績優秀者には独自の色をしたジャージが渡され、それを着るので色とりどりのジャージの選手を見ることができるのも特徴です。
どんな特別賞がある?
総合優勝以外にも様々な特別賞があります。
今回解説した3つのロードレースで共通して贈られる賞は、「個人総合時間賞」「山岳賞」「ポイント賞」「新人賞」の4つです。
各グランツールは、個人総合時間の最短者を意味するマイヨ・ジョーヌ(ツールドフランス、以下ツール)、マリア・ローザ(ジロデイタリア、以下ジロ)、マイヨ・ロホ(ブエルタアエスパーニャ、以下ブエルタ)がある以外にもポイント賞、山岳賞、新人賞などがあります。
ポイント賞は各ステージに設けられたチェックポイントを通過した順番にポイントが与えられ、そのポイントがトップの選手に与えられます。
これらは呼び名がそれぞれ、マイヨ・ヴェール(ツール)、マリア・チクラミーノ(ジロ)、プントス(ブエルタ)と呼ばれます。
これらの特別賞該当者は主にグリーンのジャージを着ます。
山岳賞はマイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ(ツール)、マリア・アッズーラ(ジロ)、モンターニャ(ブエルタ)という名称です。
こちらは山岳コースに設定されたチェックポイントを通過した順にポイントが与えられ、最優秀者は水玉のジャージを着ます。
たまに水玉のジャージを着たサイクリストを目にすることがありますが、この山岳賞のジャージを意識したファッションです。
新人賞は、マイヨ・ブラン(ツール)、マリア・ビアンカ(ジロ)、ブエルタは名称がありません。
これは特定の若年選手(25歳以下など)のうち、もっとも総合タイムの良かった選手に与えられます。
白いジャージが目印です。
これら以外にも、ステージで優勝しなかったものの印象的な走りを見せた(何百キロも逃げたなど)選手に与えられる敢闘賞(ドサール・ルージュ、ツール)、チーム総合時間賞(ドサール・ジョーヌ)などがあります。
表彰のみになりますが、最大標高の山岳をトップで通過した選手にアンリ・デグランジュ記念賞(ツール)、チマ・コッピ賞(ジロ)などもあります。
また、正式な表彰ではありませんが、ランタンルージュ(ブービー賞のように最下位から2番目の選手を表彰、ツール)、マリアネッラ(最下位、ジロ)も特別賞です。
トップジャージも見所
トップジャージとは、個人総合時間賞を贈られた選手が着るジャージで、選手にとっては名誉あることです。
また、観客はジャージの色で誰が一番なのかを判断できます。
各ツールのトップジャージの色は、以下の通りです。
- ツール・ド・フランス・・・黄色
- ジロ・デ・イタリア・・・ピンク
- ブエルタ・ア・エスパーニャ・・・赤
各レースの特徴
グランツールは、フランス、イタリア、スペインで行われます。
それぞれのレースの特徴について解説します。
ツール・ド・フランス
ツール・ド・フランスは、フランスで開催されている世界最大のロードレースで、FIFAワールドカップ、オリンピックと並ぶ世界3大スポーツイベントとも称されています。
グランツールの中でも一番歴史が古く、1903年に開始されました。
また、グランツールの中で一番知名度が高く、路上で応援している観客の数は1000万人を超えています。
ツール・ド・フランスのコースは、平坦な場所が多いことが特徴で、ゴールは毎回パリのシャンゼリゼ通りです。
ツール・ド・フランスでは、最終の21ステージのことを「凱旋コース」と呼んでいます。
開催時期は、毎年7月上旬~下旬で、23日間かけて行われ、総走行距離は3300kmです。
賞金総額は、2億5000万円です。
ジロ・デ・イタリア
ジロ・デ・イタリアは、イタリア全土を舞台に行われるロードレースで、ツール・ド・フランスが開始されてから6年後の1909年に開始されました。
開催国のイタリアは、自転車が国民的なスポーツとされていて、開催期間中は国中がこの話題で盛り上がっています。
ツール・ド・フランスと比較すると、勾配が厳しい山岳ステージが多いのが特徴で、上り坂に強いヒルクライマーが強いとされています。
しかし、開催時期が毎年5月上旬~下旬なので、標高が高い山では天気が大荒れになることがあり、グランツールの中でも1番過酷なレースと言われています。
総走行距離は、3500kmにも及び、ステージの数はツール・ド・フランスと同じ21です。
総合優勝に輝いた際の賞金総額は、3200万円で、2位は1600万円、3位は800万円で、20位までに入ると賞金が得られます。
ブエルタ・ア・エスパーニャ
ブエルタ・ア・エスパーニャは、3大ロードレースの中で一番始まりが遅く、1935年に開始されました。
しかし、第二次世界大戦などの影響で、途中で中断されます。
そのため、ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアと並んで、3大ロードレースと言われるようになったのは、2000年以降になります。
ブエルタ・ア・エスパーニャは、他のツールと比べると1つのステージの距離が150km前後と短いのが特徴です。
そのため、ステージの展開が速く、短時間での接戦が見所になります。
開催時期は、毎年8月下旬~9月中旬で、スペイン全土を舞台に行われます。
ステージの数は21で、総走行距離は3200kmです。
最近は、難易度が高い山岳ステージが多くなっていて、山頂ゴールが増えています。
まとめ
今回は、グランツールの特徴や世界3大ロードレースと言われている「ツール・ド・フランス」「ジロ・デ・イタリア」「ブエルタ・ア・エスパーニャ」について解説しました。
グランツールはロードバイクにおいて、オリンピックを超える人気や知名度を持つレースです。
何週間にもわたって勝負を決めるレースであることから、過酷を極め完走するだけでも名誉とされています。
これまで、グランツールをあまり見たことがないという方も、ぜひ一度見てみてください。